小金井愛の「株四季ごよみ」気になる企業や銘柄を季節の移ろいと共にご紹介。毎月二回更新
2012/02/17 株四季ごよみ
雨水(うすい)
暦の上では春を過ぎてもまだまだ寒い日が続きますが、皆さんは元気にお過ごしょうか?こんにちは!財津博士の助手、小金井 愛です!二十四節気では雨水(うすい)、「空から降るものが雪から雨に替わる頃、深く積もった雪が融け始める。春一番が吹き、九州南部ではうぐいすの鳴き声が聞こえ始める頃」だそうです。こうして書いているだけでも、気持ちが少しあたたかくなるような気がします。
さて、わが財津ラボのベテラン研究員に、わたしの記憶する限り一度も風邪で休んだことのない元気もりもりの方がいるのですが、今年はマスクを片時も外しません。ある時、気になって「どうしたんですか?」と聞くと、こう答えが返ってきました。「ウチには受験生がいるからねえ、風邪は絶対にひけないんだ」。
そうですね、今は受験シーズンの真っ最中。受験生が日頃の力をじゅうぶん発揮できるように応援したいですね。ということで今回は受験生の強い味方、「進研ゼミ」でおなじみの【9783】(株)ベネッセホールディングスに注目してみましょう!
1955年、岡山県岡山市に、中学向けの図書や生徒手帳を発行する会社として創立されたのが「株式会社福武書店」でした。1962年に高校生向け「関西模試」を開始(これがやがて73年に「進研模試」として全国展開されます)、1969年には高校生向け通信添削講座を開講します。1972年、中学生向け通信添削講座を開講、1980年に「進研ゼミ小学講座」を開講するなど、学習・受験勉強に関わる事業で成長してきました。
1988年には進研ゼミ「幼児講座」、現在の「こどもちゃれんじ」を開講します。そして1993年に「たまごクラブ」「ひよこクラブ」を創刊。2000年には介護事業の運営会社も設立し、お腹の赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年代の暮らしや学習に役立つ書籍・サービスを提供する企業へと変化を遂げていきます。
この変化の下地は、すでにずっと以前からありました。そのきっかけは福武書店が1980年から取り組み始めた「CI」です。「CI」とは「コーポレート・アイデンティティ」の頭文字をとったもの。企業が、社名の変更や、ロゴマーク、トレードマークを一新することなどによって、企業理念をより伝えやすいものにしたり、イメージアップを図ることを言います。
「地方の一受験産業で終わりたくない」という創業社長の考えをきっかけに、福武書店は1980年に第1次CIプロジェクトを実施し「文化化・情報化・国際化」というコンセプトを発信しました。その後も「自分の会社とは何かを考え、再定義する」ために10年ごとにCIプロジェクトを実施することとし、1990年、第2次CIプロジェクトによって新しいコーポレートブランド「Benesse(ベネッセ)」を発表しました。
Benesse(ベネッセ)とは、ラテン語の「bene(よい、正しい)」と「esse(生きる、暮らす)」から作られた造語で、「よく生きる」「前向きに人生を謳歌する人間味豊かな生き方」を意味しているそうです。その後、社内外へのメッセージとしてこの企業理念をそのまま社名とし、(株)福武書店から(株)ベネッセコーポレーションへ社名変更しました(※)。
のちに創業社長が「CIが、180度会社を変えた」「CIがなければ、こういった事業転換や企業発展はまったく無理だった」と語っていらっしゃるように、このプロジェクトで新たなスタートを切ったベネッセは、受験産業から教育産業・生活事業へと事業範囲をより大きく広げていくことになります。そして1980年当時は100億円前後だった売上が、2010年3月期の決算では4,000億円超!なんと40倍以上にまで拡大するんです!
「うむ。CIを実施するには大きな決意と多大な費用が必要じゃが、それが必ずしも企業の業績に直結するとは限らない。しかしCIの実施によって自分を見つめ直し、結果として驚異的な成長を遂げたベネッセの成功例は『自分の会社とは何か』とか『企業のあり方』を考える事の大切さを教えてくれる、価値の高いものじゃよ」
なるほどー。わたしは今までCIと聞くと、社名やロゴマークの変更だけを思い浮かべていたんですが、大切なのはそこだけではないんですね。
「そうとも。名前や顔だけではなく、肝心なのは“心”そして“何をすべきか”じゃ。人も企業も一緒じゃよ、わかるかな?えーつまり!ワシのように顔も心も行動も優れた人間というのは非常に・・・」
あら博士、そういえば風邪気味だって言ってたくせに、マスクをしていないじゃないですか!ウチのラボには受験生のお父さんだっているんですから、ちゃんとマスクをしてください!
今年は特に春が待ち遠しく感じます。受験生のみなさんにも早く春が訪れるといいですね。風邪などひかずに頑張ってください!小金井 愛でした!
※ その後ベネッセグループの持株会社として、社名を(株)ベネッセホールディングスに変更。同時に新設分割会社としての(株)ベネッセコーポレーションを設立











